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【更新】FLOOOOW : 撮影の裏側 Canon Kiss X4 + X5 映像作品

2011年5月、アメリカで撮影した LOOOOP x Flowtoysの映像。

Camera は Canon Kiss X4 / 550DCanon Kiss X5 / 600Dで撮影。

Performer

LOOOOP (Hanna Tina Thomas Francois )

floooop.jpg

場所は夢が生まれる場所、Flowspace

 

flowspacefisyeye.jpg

撮影の流れ

この映像は僕がアメリカに到着した日から2日間、昼は4人でこれまでに練習していたルーティンの再構築や、新しいアイデアによる新ルーティンの作成など行い、夜は実際に撮影しつつ色合いや映り具合、照明の確認を行いました。その間時差ぼけと体調不良で僕はぐったりしてましたが、2日目にLOOOOPからYutaだけ一人でいるのは心苦しいし、是非カメラマン&ディレクターとして参加して欲しいといわれ、参加することになりました。実際一人でFlowspaceの端っこにいるのはすんごく寂しかったのでうれしかったです。

そして3日目(木曜)の夜から撮影開始。木,金,土,三日間夜3時ころまで撮影してとりためた映像を編集したのがFLOOOOWでした。長い撮影でした!

振り付け

Fransois(フランソワ)を中心にパートナーポイを2名、3名、4名、色々組み合わせていました。長いルーティーンは1,2個で、それ以外10秒程度のシンプルな動きを異なる角度やステップ、立ち位置を変えたりして見栄えの良いものを選んでいきました。

彼らの衣装もカラフルでFlowtoysにぴったりでお洒落。ユニクロに多大な影響を受けたといっていましたが、きっと多くの人がユニクロに影響を受けているのでしょう。僕もです。

せっかくなので撮影の裏側をポイカメラマンの視点から解説してみようと思います。

Camera

先日X3からグレードアップしたX4 (with Magic Lantern ) と Thomas から頼まれて日本から買っていったX5の2代替性で撮影しました。

Magic Lantern マジックランタン とは Canon の一眼レフをより使いやすくするため、海外の頭のいい人たちが構築し続ける改造ファームウェア。

動画で言うと、録音のオーディオメーターが出たり、白とびや黒つぶれをしている箇所をゼブラパターンで警告してくれたり、ピントリングを触ると液晶画面に拡大表示される窓がでてきたり、ありとあらゆる便利な機能がついています。

写真ではタイムラップ撮影ができたり、液晶に顔を近づけるとディスプレイが暗くなる際に使われているセンサーを利用したリモート撮影機能がついたり、いろいろすばらしいことができるようになります。

ただ、完璧なソフトウェアではないので、最悪の場合カメラが損傷するケースがあるそうです。なので自己責任でハラハラしながら使うことになります。

詳しくはYoutubeに解説動画もあります。興味があればどうぞ http://www.youtube.com/watch?v=ay8JT3Qkbqs

映像サイズ

60fpsでの滑らかな映像が良いねとの話でThomasと720P 60fpsにしました。

露出設定

フロースペースにはすばらしい照明機材が2個あり、それの角度を変えつつ、X4にインストールしてあるMagic Lantern で画面に現れる黒つぶれ表示を参考にし、メインのパフォーマーの上半身までが写る設定にしました。背景とズボンは黒で溶け込んでいるような感じにして、浮遊感を出すことにしました。

シャッタースピードは基本1/60であとは好みの被写界震度でISOによるコントロール。

センサーはX4,X5とも同じなので設定が全て同じであれば出てくる映像も同じになるので楽でした。

Picture Style & White Balance

最初よりリッチな色表現をするためにPicture StyleにCine Styleを使おうとしましたが、結局その後の編集でカラーコレクションをして色を出す、という手間がかかることからPicture Style は Standard で、White Balance は太陽光でそろえました。

EOS Utility でホワイトバランスに色温度を設定できると思っていたのですが、ソフトウェア側で Kissシリーズであることを認識すると Kの表示がグレーのままで選択できないようにする設定でガッカリ。そういうところでも Kiss シリーズと上位機種を分けるようにしているようです。

Magic Lanternで設定できますが、X5にはMagic Lanternを搭載できないことから(2011年5月現在)通常設定で指定できる太陽光にしました。僕は白色蛍光灯の色合いもいいと思ったのですが、太陽光の方が色が若干濃く見えたのか、LOOOP側の希望にあわせました。

X5の利点 X4の利点

X5の利点

kissc5monita.jpgなんといってもバリアングル液晶!自由な角度で液晶を眺めることができるのは何にも変えがたい便利さ。よりビデオカメラとしての使いやすさが高まっています。

今回の撮影での例で言えば、室内の撮影でできるだけ縁者から放れて撮影したい場合、壁際での撮影になります。その場合も液晶を反転させれば楽にフォーカスチェックができます。

また映像中の 1:05や1:54などで見るような上からのアングル。これはFlowspaceのSkyloftとKichenをつなぐSkywalk ( catwalk)上から三脚につけたカメラで撮影しました。X5なら画面を確認しつつ撮影できて楽チンです。

あと、LOOOOPが映像確認するときもいちいちカメラを反転させて見せなくても、液晶をひっくり返せばカメラの位置を動かさずに相手に映像確認をしてもらえます。

とにかく最高でした。

X4の利点

Magic Lantern による液晶上での黒つぶれ、白とびの確認ができる点。
X4,X5の液晶が実はものすごく綺麗なため、PCディスプレイ上ではぼんやりとして見えない色がはっきり見えたりします。液晶にあわせて露出設定をして、後ほどPC上でみるとほとんど真っ黒で見えなかったりして調整が二度手間です。

しかしMagic Lanternで表示される黒つぶれ警告を目安にして撮影すれば液晶の明るさ設定がマックスでもミニマムでも関係なく、安定してもく視認できます。

でもX5でMagic Lanternが稼動する日も近いでしょうし、すでにテストが進んでいるようなのでこれから購入する人がX4を買う利点はほとんどないでしょう。

撮影スタイル

Lensは基本 18-55の標準レンズをどちらかのカメラにつけておき、もう一方で 50mm F1.8 か 30 mm F1.4の単焦点レンズをつけてパリッとした映像をとりました。

EFS 18-55 mm

Canon EF-S レンズ 18-55mm F3.5-5.6 IS

スタジオの奥行きは30mmや50mmにすると十分ではないため、4名全員を撮影するときは18mmの広角でF4 1/60 ISO800 or ISO 1600 くらいで撮りました。

また HAGUE Mini Motion-Cam Stabilizer を使用して撮影するときは18-55の18mm固定で撮影対照との距離を大体一定にたもちつつ撮影しました。(残念ながら今回の映像でMMCで撮った映像は採用されていないようです。迫力のある映像が結構いっぱい取れたのですが、まあ使いどころは難しいですね。1:18の部分を一人目から順番に平行に追っていく絵は美しかったのですが)

30mm F1.4 Sigma

30mm F1.4

F1.4の被写界深度の浅さを使ったショットは映像中の2:01からのリバースショット。自然すぎるピントの流れに自画自賛です。ポイを追わずに一人に注目するとピントが流れているのがわかると思います。撮影前に一人目と4人目にピントを合わせ、大体の位置をつかみ撮影しながらぴんとを流しました。

またピントの浅さだけではなく、F2~F3.5まで若干絞った状態の鮮明な絵も標準レンズには出せないクオリティーです。おなじF3.5でも18-55mmのF3.5と30mm単焦点のF3.5は全然違います。

EF 50mm F1.8 II

Canon EFレンズ EF50mm F1.8 II

今回もっとも使いどころが難しかった焦点距離だと思います。

実は大体18mmか30mmで撮影し、あまったカメラについている50mmではここにあわせておけば何か使えるかな?程度のサブカメラで使いました。よく覚えていませんが、1:02あたりは固定で置いておいた50mm F1.8だと思います。あと0:27あたりもかな・・・?

50mm F1.8も同様に50mmで撮ることが決まっていれば確実に出てくる絵の細かさ、繊細さはズームレンズにないクオリティーです。

TF-115

TF-115

大人気のフィッシュアイ!

だけど、今回のスタジオだと写らなくていいところまでうつっちゃうね、ということで全然使いませんでした。

しかし、最後のエンドクレジットでTF-115のフィッシュアイ動画を採用してくれていました!Flowspaceで撮影したよ、という記録にはよかったようです。やっぱりあってよかったTF-115。大勢が参加したFlowpartyの記念撮影でも活躍しました。

flowparty

三脚

Seanが昔から使っている写真用の大きい三脚にメインのカメラを固定。サブカメラは機動性を重視し、自分の持参した小型三脚SLIK MINI IIをテーブルなどに置いたりして撮影。イベントにも持っていって簡易ステディカムにしたり、体にあててカメラを安定させたり、まあ使い勝手が良いです。

総括

今回のLOOOOPの撮影、全然カメラマンやる話なんてしていなかったけど、同じFLowspaceに滞在し、夜彼らが撮影すると自分はすることないのでカメラマンを担当しました。もちろんカメラ好きだし、ポイスピナーなので楽しかったです。

自分がポイを回して誰かにとってもらうとき、「なんでこの角度なんだ!」とか「ポイはみ出ちゃってる!」とか残念なことが多いけど、LOOOOP側からはそういう残念な声が全然なかったことは、スタジオがいいのはあるけど、これまでいろいろ撮影してきた自分のカメラスキルも良かったからかな?と自画自賛です。

撮影中に「画面が暗いね~」とか「ピントがあってないなぁ」とか余計な心配事をせず、「もうちょっとタイミング早くしようか」とか「立ち居地を少し変えてみよう」とか自分達のパフォーマンスに集中できる環境がある、これは映像撮影においてとても大切なことだと思います。

日本でも一眼動画を操るポイカメラマンがどんどん増えることを期待します!いつかだれか僕を撮って下さい!

Canon Kiss X4 / T2i / 550D Canon Kiss X5/ T3i / 600D
Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X4 Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X5

LENS

 

Canon EFレンズ EF50mm F1.8 II Canon EF-S レンズ 18-55mm F3.5-5.6 IS 30mm F1.4 TF-115
Canon EFレンズ EF50mm F1.8 II 単焦点レンズ 標準 Canon EF-S レンズ 18-55mm F3.5-5.6 IS EF-S18-55IS シグマ 30mm F1.4 EX DC/HSM DIGITAL KING 一眼レフ用コンバージョンレンズ 0.25×Superwide 52mm TF-115 52

記事を書くのに使用している機材たち

ソニーストア

KissX4 Slikミニ三脚

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About Yuta

  • Yuta
  • 宮崎県えびの生まれ
  • 1982/4/16

2003年オーストラリアでポイと出会って以来ポイの道を突き進むポイスピナー。国内外でポイパフォーマンス活動、普及活動を続けています。

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